ホテル・別荘
2026, Kagoshima





1.8枚の土壁 / Eight Veins
屋久杉の生命力を宿した8枚の土壁。島の濃密な「気配」を構造化し、大地と建築を繋ぎ止めるアンカー(錨)として機能する。
2. 空虚の器 / The Void
屋上中央の「空虚」は、重力に従って建築を緩やかにたわませる。 押し下げられた天井が空間に「圧迫感」と濃密な「気配」をもたらし、大地の起伏の一部としての建築を体現する。
3. 受容と循環 / Acceptance and Circulation
たわんだ屋根は、屋久島の雨を受け止める「水たまり」となる。人はその傍らで、自らも自然の循環の一部であることを身体的に取り戻す。
4. 境界なき円形 / The Circle
全周をガラスと透過スクリーンで覆い、内部空間を原生林へと融解させる。境界を消失させることで、森と一体化する視覚的連続性を創出する。













AWE house
屋久島の「倒木更新」と「循環」の理(ことわり)に重きを置き、建築を大地の起伏の延長として捉え直す。
中央に穿たれた「水盤」という名の空虚は、重力に従って建築をたわませ、一階の天井を押し下げ、空間に濃密な「気配」を生む。8枚の土壁は、命の源泉から放射状に放たれた根系であり、外周の円形へと溶け込んでいく。
ここは、人間が自然を支配する場所ではない。水と土の重なりの中に静かに身を委ね、原生林の息吹「AWE(畏敬)」と共に目覚めるための装置である。
不完全な空虚(窪み)が、生命を更新する。「ひと月に35日雨が降る」と言われる水の島、屋久島。その原生林では、巨石の窪みや朽ちた倒木の穴に水が溜まり、そこから新たな苔や実生が芽吹く「更新」のプロセスが永遠に繰り返されている。
本計画は、この島が持つ「生命を育む空虚」を建築へと昇華させる試みである。これは単なる宿泊施設ではない。水が満たされ、命が更新される窪みの中で、人は自らもまた自然の循環の一部であるという感覚を、身体的に取り戻すことになる。
「虚構」と「現実」の止揚